私はいま、1歳の子供をそだてているのですが、この「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」という本を今読めたことを本当に良かったと思います。
モンテッソーリ教育のイメージが、木のおもちゃで~、子供の意志を尊重して~という漠然としたものだったのが、この本を読んでもっと根本的なものだと、イメージが変わりました。
「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」には、モンテッソーリ教育を通じたたくさんの事例がのっているのですが、
この本の紹介の第1弾として、マリア・モンテッソーリさんが医者であり、生物学や発生学などといった科学的視点を幼児教育に取り入れた方だという事をご紹介します。
マリア・モンテッソーリはローマ大学の医学部に、女性として初めて入学し、優秀な成績で医学博士号を取得して卒業した人です。
「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」より
モンテッソーリが、幼児教育の研究をはじめたキッカケ
マリア・モンテッソーリが幼児教育の研究をはじめたキッカケの部分を抜粋すると以下のようになります。
・1907年、モンテッソーリが教師になる前、ローマのスラム街で子供を預かるという計画があり、モンテッソーリがその責任者となった
・医者だったモンテッソーリはそのころ、障がい児の教育で成功した経験はあったが、健常児については経験はなかった
・モンテッソーリは障がい児のための教具を元にして、教材を工夫して作り、子供たちが自由に使えるよう部屋に置いた(子どもたちが自分の好みの教材をとってきて、じっくりと扱っていた)
・その結果、子供たちが、顔つきだけでなく、態度や言葉も、歩き方や体つきまでが綺麗になっていき、モンテッソーリは、幼児教育の研究に取り組み始めた

子どもの変化を発見したことが、幼児教育の研究をはじめたキッカケだったんだ。
モンテッソーリの研究
マリア・モンテッソーリさんは、子どもの変化を発見したことをキッカケに研究をはじめ、
子どもをじっくり観察することで、共通する法則をみつけました。
そして、みつけた法則をつかって、子どもを良い状態にするための環境や教具を作り出しました。
彼女は科学者でしたから、子供が変わるプロセスや要因をしるために、子どもをよく観察し始めます。そして、どんな子供でも同じような道筋をたどって変わっていくことを確認したのでした。
彼女は三つの段階を経て、「モンテッソーリ教育方法」を編み出していきました。
第一に、「子どもが変わる」という事実との出合い。
第二に、「子どもが変わる」ということの奥にあるさまざまな法則の研究と発見。
第三に、「子どもが変わる」ことを助ける環境、教具、その使い方などの工夫を編成。
ママ、ひとりでするのを手伝ってね!より
モンテッソーリは「敏感期」を教育に利用した
私はこの本をよんで、モンテッソーリは医者であり、科学的な視点で教育を見たという点が重要だと感じました。
科学的な視点だったからこそ、100年以上経っても広まり続けているのだと思います。
なので、マリア・モンテッソーリさんがどんな科学的な視点で見ていたのかをご紹介します。
敏感期とは
敏感期とは生物学者が使い始めた言葉で、それを教育に初めて応用したのがマリア・モンテッソーリさんです。
モンテッソーリが、敏感期を説明するためにいちばん頻繁に使う事例は、毛虫の幼少期のことです。
蝶は卵を産むとき、雨や風にいちばん安全な、幹が枝に分かれるまたの所を選びます。ここで卵からかえった毛虫は、自分の周囲にある大きい葉は堅くて食べることができません。生まれたての毛虫が食べることのできる葉は、枝のいちばん先にある柔らかい新芽だけなのです。では、生まれたての毛虫が、どうやって、枝の先端にある自分が食べることのできる新芽を見つけるのでしょうか。それはちょうど新芽しか食べることのできないその時期に、この毛虫は光に対して非常に敏感になるのです。そして、明るい方へ明るい方へと光にひかれて上の方へ這っていきます。一番明るい枝の最先端に着いたとき、毛虫がちょうどその時期に食べることができる新芽がそこにあるのです。
ママ、ひとりでするのを手伝ってね!より
敏感期とは、①生物の幼少期に、ある能力を獲得するために、②環境中の特定の要素に対して、③それをとらえる感受性が特別に敏感になってくる一定期間です。
人間も大人になるまでの各段階でさまざまの能力を獲得していくわけで、そのときに必要になる環境中の要素をうまくとりいれるために、その時々で強い感受性が内面から生じてきます。
私は、「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」に書いてある数々の事例をみて、人間もほかの生物と何も変わりなく、自然の力に支配されて成長しているのだとわかり、
であれば、その自然を理解して、決して自ら成長しようとする活動を妨げるべきではないと感じました。
まとめ
「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」より、マリア・モンテッソーリさんがどんな方だったかわかる部分をご紹介しました。
マリア・モンテッソーリさんは医者として活動する中で、偶然、子どもが良い状態へ変わる様子を目の当たりにして、科学的な視点で、観察し、研究をしました。
そして、今日まで広まり続けているように、「子どもが変わる」ことを助ける環境や教具を作り出して幼児教育に活かした方です。
今回はマリア・モンテッソーリさんについて書きましたが、「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」には実際にモンテッソーリ教育を通した日本の子どもたちの事例など、モンテッソーリ教育を理解するのに大切なことが多く書かれています。
今後、この本について、さらに書いていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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